《道中》
エマ 「ほら、ガーベストまであと1キロって書いてありますよ。」
タクミ 「じゃ、もうすぐだな。」
ラック 「長かったねえ…」【ほんとに!】
アズマ 「そうですね…」
レイ 「見えてきましたよ。」
タクミ 「わーい!!」
(音:ダダダーッ)
ラック 「あ!待ってよタクミ!オレも行くー!」
(音:ダダダーッ)
アズマ 「楽しそうですねぇ。」
レイ 「そうですね。」
カヲル 『タクミもライバル…か…?』
《ガーベスト》
ラック 「やったー!一番乗りー!」
タクミ 「オレの方が先だって!」
ラック 「ついにガーベストに来たぞー!」
タクミ 「おいラック無視すんなよ……って、おい、何か変だぞ。」
ラック 「え?何が?」
タクミ 「だってさ、ガーベストってでかい町なんだろ?でもここ、何もないじゃん。」
ラック 「……ほんとだ。何もないね。…っていうか、廃墟だね…」
レイ 「これは…一体何が…?」
アズマ 「だ、誰もいないんでしょうか…」
ラック 「すみませーーん!誰かいませんかーーーー?!」
レイ 「こんな広い街だと、ちょっと叫んだくらいでは聞こえませんよ。」
? 「何か御用ですか?」
ラック・タクミ「ぎゃーーーーー!?!?!」【出たーーー!】
? 「何もそんなに驚かなくても…」
ラック 「いきなり背後に現れたら誰だって驚くよっ!」
? 「…!君達…かわいいですね、私の店に来ませんか?」
カヲル 「あんたいかがわしい商売でもやってるんですか。」
? 「失礼な…ただのペットショップですよ…」
全員 『絶対怪しい…』
? 「まあ、こんなところで立ち話するのもなんですから、私の店に行きませんか?」
ラック 「んー…そうだね…」
タクミ 「ま、仕方ねーか。」
? 「私の店で働いてくれる気になったんですね、うれしいなあ…」
レイ 「何か誤解が生じているようですね。」
《店の中》
? 「ここですよ。」
アズマ 「な、何か、おどろおどろしいですね…」
タクミ 「やっぱ来なきゃよかった…」
? 「まあ、そう言わずに、お茶でもいかがですか。」
ラック 「うわあ、おいしそう。」
レイ 「これは何と言うお茶なのですか?」
? 「ふふ、マンドラゴラを煎じて作ったお茶です。」
(音:ブーーーーッ)
タクミ 「うわっ、汚ぇ!」
ラック 「タクミこそ!」
エマ 「道理でおいしいわけですね。」
タクミ・ラック「えー?!」
? 「そうでしょう、美容にもいいんですよ…。さらに隠し味にトリキオの根を」
ラック 「うわーー!やめてくれよー!」
エマ 「自家製ですか?どうやって作ってるんでしょう。」
? 「ふふ、それは企業秘密です。」
エマ 「そうですか…残念です。」
ラック 「エマ……」
タクミ 「そういえば、あんたの名前聞いてなかったよな。」
? 「気になりますか…?そうですね…あなたにだけなら教えてあげてもよろしいですよ。」
(音:ドカッ)
? 「痛いですね…あぁ、でもこれがあたなたの愛情表現なんですね。」
(音:ドカッ)
タクミ 「どうでもいいから名前を教えろ!」
? 「ふふふ…今のは冗談ですよ…」
全 『嘘だ…!』
? 「私の名前は、そうですね…D、と呼んでください。」
他の人の自己紹介は都合により割愛させていただきます。
D 「そうですか、タクミという名前なんですか…」
タクミ 『何でこいつオレの名前だけ覚えてんだよ』
レイ 「ところで、何故この街はこんなに荒れているのですか?」
沈黙。
アズマ 「…あ、あの…?Dさん…?」
D 「ふぅ……」
タクミ 「…何でオレの方見てんだよ。」
D 「…一度でいいから美少年の自由を奪ってみたい……」【(ボソ)】
アズマ 「ひぃぃ?!」
ラック 「な、何言ってんのD?!」
レイ 「過激ですね。」
エマ 「呪術、教えてあげましょうか?」【エマは呪術使い(そんな設定なのよ)】
ラック 「ェエ、エマまで何言ってんだよ!」
沈黙。
カヲル 「……あの、Dさん。」
D 「何でしょう?」
カヲル 「先生って呼んでいいですか?!」
ラック 「何でだーー!!」
D 「ええ、別に構いませんよ。」
カヲル 「先生!!」
D 「カヲル君!!」
(音:キラキラ)
アズマ 「あ、あの……」
ラック 「二人の世界だね…」【昔のスポーツ漫画調に】
レイ 「ところでタクミさん、大丈夫ですか?」
エマ 「気絶してますね。」
D 「目覚めるのに時間がかかるでしょうし、今日はもう遅いですから泊って行きませんか?」
ラック 「どうする?」
アズマ 「そうですね…あ、その前に、どうしてこの街が壊れてるのかを教えてください。」
D 「…ちっ…いいですよ。一週間くらい前に、謎の人達が来て、ここを占領して破壊していったんです。」
ラック 「誰それ?」
D 「さあ…?一体何だったんでしょうねぇ。」
ラック 「で、何でDは無事なの?」
D 「ふふふ…それは秘密ですよ。
でも…あなたが私とここに残ってくださるなら…教えてもいいですよ、ラックさん。」
カヲル 「なッ!『それって、つまり…ラックさんとここで二人で暮らすってことやろ?!
いくら先生と言えど、それは絶ッ対、許さへんッ!!』ちょっと待っ」
アズマ 「待ってください、Dさん。ラックさんは一緒に旅して来た仲間なんです。
ラックさんをここに残して、僕達だけで旅を続けるなんてできません。」
ラック 「うわー、アズマかっこいいこと言うねー。」【意味のない感動】
アズマ 「あ、ありがとうございます。」
カヲル 『……また負けた……』
D 「ふふ…ま、それはともかく、もうすぐ日も沈みますし…どうしますか?」
レイ 「泊って行きましょう。夜は危険ですし。」
タクミ 「オレは反対だ!」
ラック 「あれ?タクミいつの間に起きたんだ?」
エマ 「…いいですね、泊まりましょう。タクミさん、それでいいでしょう?」
タクミ 「お、…オレはいやだーーー!!!」
(音:ダダダー)
ラック 「あ、タクミ!どこ行くんだよ!」
(音:ダダダー)
レイ 「あっ、だから外は危険だと…行ってしまった…」
D 「照れてるんでしょうか…ふふ、かわいいですね。」【ほんとプラス思考ですね】
エマ 「ま、ほっときましょう。殺しても死なない奴らだし。」
D 「そういえば、この辺には魔物がたくさんいるようですが。」
カヲル 「え?!じゃあ、ラックさんが危ない!」
アズマ 「えぇ、確かに二人きりでは危険ですね…」
カヲル 「二人きり?!
『そういえばそうやんか!!暗闇で二人きり?!何が起こるかわかったもんやないッ!!
…………【なんかまた妄想してるらしい(アホ)】…また先越されんのか?!』
ちっくしょーー!! 待ってくれーーッ!!」
(音:ダダダー)
レイ 「カヲルさん!だから外は危ないと……!
……。」
エマ 「ほんと馬鹿ばっか…」
アズマ 「大丈夫でしょうか…」
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