電波と犬とワルツを。





―――8.誘拐?と襲撃―――

《次の日》

アズマ 「ラックさーーん!ラックさーん?!」
レイ  「どうしたんですか?」
アズマ 「あ、レイさん……いえ、あの、ラックさんがいないんです…」
レイ  「まだ寝てるんじゃないんですか?」
アズマ 「そ…うでしょうか……」
エマ   「タクミもいないですよ」
レイ   「タクミさんも寝てそうですね」
エマ  「メシでつろうとしたんですけどね」
アズマ 「…あのぅ、カヲルさんも、いないみたいです…」
レイ   「カヲルさんも…ですか?
     いなくなったのは、ラックさん、タク ミさん、カヲルさん、D…さ…ん…」
エマ   「ってことは…」
レイ・エマ・アズマ『D(ヤツ)かッ』
D    「あ、皆さん、おはようございます。いい朝ですね。こういう 清々しい朝こそ私の望――」
アズマ「あの、Dさん!ラックさん達をどこへ連れて行ったんで すか?!」
D    「何ですか?人を誘拐魔みたいに……もしかして、いないんです か?」
レイ 「そうなんです。あなたじゃないとすると…一体何処に?」
D    「ひどいですね、皆さん私を疑って…」
タクミ 「ただいまーーーーッ」
カヲル 「おはようございます」
レイ   「タクミさん、カヲルさん。何をしてたんですか」
カヲル 「え、食料をとりに行ってたんです」
タクミ 「メシにしよーぜ、メシィ!」
D    「メシはラックさんが帰ってきてからですねぇ」
カヲル 「ラックさんいないんですか?!」
アズマ 「一体どこに……」
     音:ドコォン
レイ  「何の音?!」
ラック 「うわっ、何すんだよお前ッ」
アズマ 「あれはラックさんの声ッ」
レイ   「あっちですね」
ラック 「お前危ないなッいきなり攻撃してくんなッ」
????  「うわぁすごいすごぉい!あたいの攻撃よけたの、あんたが初めてだリョン♪
    もいっちょいくよーッとぉ!」
     音:ドコォン
ラック 「うわッ地面に穴あいてる…」
エマ   「何遊んでんだお前らは…」
ラック 「遊んでないッ」
アズマ 「ラックさん、大丈夫ですか?!」
ラック 「うん、かすっただけだ。大丈夫」
D    「おはようございます、ラックさん」
タクミ 「楽しそうだな。俺もまぜて」
ラック 「楽しくないッ」
レイ   「手助けしましょうか?」
????   「あーっとダメダぁメ。これは、二人だけでする遊びなの、ピロン♪
    だからその辺は手を出さないでね、クピン♪」
レイ   「分かりました」
ラック 「おいッ何でこいつの言うこと聞いてんだよ?!」
アズマ 「まぁまぁラックさん」
????   「今度は連続でいくよ、ピロン♪そぉれっ」
     音:ドドドドドドッ
ラック 「うわッ危ねぇ…」
エマ   「キャノン砲…使えば…?」
ラック 「何てこと言うんだよ?!あ、そだ。出力抑えて…えい!」
     音:ちゅどーん
????   「キャッ」

アズマ 「大丈夫ですかラックさん?!怪我はありませんか?!」
ラック 「うん、大丈夫だよ」
レイ   「あの人はどうなったんですか?」
ラック 「うーん…死んではないと思うけど、かすり傷じゃすまなかった はず…」
????   「やーんっ、いたいいたぁいっ!血が出たリョン」
ラック 「なッなんで無事なんだよ?!」
????   「だって、あたい、人造人間だから人より丈夫にできてんだリョン♪
     こんくらいじゃ死なないペロリンパ♪」
ラック 「何か変なヤツ…」
????   「もう一度、今度はもっと強い攻撃でいくよ、ピロン♪えぇい ♪」
     音:ドコォン

ラック 「うわっ」
????   「えーん。なんでなぁんで当たんないの、ピロン♪」
ラック 「もういっちょいくぞ!キャノン砲!」
     音:ピピッ
????   「えっ?なになぁに?はぁいもしもしこちらアルティでーす……
     …うん、わかったリョ ン♪つまんないぃ、ペロリンパ♪」
ラック 「てやぁっ!」
     音:ちゅどーん
アルティ「やぁぁぁぁん、いたいぃーーーッ!
     もぉいいッ、遊びは終わってかえろ、ピロン♪じゃね、クピン♪」
     音:ピコッピコッピコッ
ラック 「あいつ、足音かわいい…」
D     「顔もなかなか可愛かったですね。私の店が残っていれば勧誘し たのに…」
レイ   「さぁ、次の町へ行きましょう」


アルティ 「ただいまリョン♪」
博士   「アリティシア!どこへ行っていたの?!まだ調整中なのに…」
アルティ「あのね、遊んでたのッ、ピロン♪」
博士   「アリティシア、あなた破損しているじゃないの!すぐ修理室へ 行きましょう」
     『それにしても…まだ調整中とはいえ、普通の武器ではかすり傷さえつけることのできない丈夫なボディを、
     ここまで傷つけられるなんて…いったいどんな武器なのかしら。早速報告しなくては…』





(C)芝・想架創

犬Top    ←back    next→