《次の日》
タクミ 「うわー、すっげー!」
ラック 「なんか、すごい崖に囲まれてるねぇー!」
エマ 「谷と言え谷と。」
D 「おや、あんなところに珍しい薬草が…ふふ…」
アズマ 「でも、ここって危険なんじゃないでしょうか…」
レイ 「そうですね…道は一本しかなくて、その周りには崖。
何かあったら逃げ場は無いですね。」
カヲル 「それに、このあたりは地盤ももろくて、大きな音を立てると上から岩が転がってくるらしいですよ。」
エマ 「それなら、できるだけ大きい音を立てずに進まないといけませんね。」
タクミ 「やっほー!!!!!」
ラック 「やっほー!!!!!!」
アズマ 「あああ、危ないですよ、二人とも!大きな声を出したら…」
音:ガラッ
タクミ 「…ちょっと、揺れたな、あの岩」
ラック 「ごめんなさい…」
アズマ 「あの岩は危ないですね。出来るだけ音を立てずに通り過ぎましょう」
ラック 「うん、そうしよう。
そーっと、そーっと…」
????「みっつけましたぁ!あなたですね、キャノン砲の所持者っ!!!」
タクミ 「うわあ!おい、でかい声出すなよ!あんたは上にいるから大丈夫だけど俺が困るッ!ってか誰!!!?」
レイ 「タクミさん!!あなたまで”でかい声”を出してどうするんですッ!」
アズマ 「あぁ、皆さん声大きいですよ…ッ!」
ラック 「アズマもね」
音:ガラッ ゴロゴロゴローー
ラック 「うわっ来たー!!!!」
レイ 「早く逃げましょう!」
ラック 「う、うん!」
エマ 「でも坂がこっちに傾いてるから、こっちに逃げるとずっと追ってきますよ、岩」
ラック 「もうこっちに逃げちゃったんだから仕方ないだろーーー!めちゃくちゃ大きいし、あの岩!」
D 「あ、珍しい薬草が潰れてしまう…」
タクミ 「お前もそんなこと言ってる場合かーー!何とかしろーーーー!!!」
D 「あなたの頼みなら何とかして差し上げたいのは山々なのですが、この状況では無理です、考えられません」
タクミ 「役にたたねぇな!」
ラック 「あ、道が無い!」
エマ 「橋が落ちてしまっているようですね。」
レイ 「冷静な解説をしてる暇ないですよ!」
ラック 「うわ、きた!やばい!」
ラック・タクミ「うわーーーーーー!!!」
????「ありゃりゃ…潰れちゃったですか?あんまり見たくないですね…
ってそんなこと言ってる場合じゃないですねっ
この際壊れててもキャノン砲は回収しないと♪
・・・あれ? いない!?どこ行ったですか?!」
音:バサッ バサッ
カヲル 「皆さん、大丈夫ですか?」
タクミ 「おおーー!でっけー鳥!」
D 「よかったですね、タクミさん…ふふ…」
カヲル 「本当に間に合ってよかった。この鳥はクロス、この辺りを寝城にしてるんです」
アズマ 「そうなんですか!助かりました、ありがとうございます」
ラック 「すごいねカヲル!ありがとう!
すっごい大きい鳥だね!鳥に乗ったのなんて初めてだよ!楽しい!」
カヲル 『感謝してもらったーーー!ああぁぁあ』
レイ 「カヲルさん!落ちますよ!」
カヲル 「はっ!あ、ありがとうございます」
????「…なんですか、あの鳥…?」
ラック 「うわーうわー楽しいなー!」
アズマ 「ラックさん、そんなに身を乗り出したら落ち…って落ちてるーーーーーーー!?」
カヲル 「ラックさんーーーーーー!?!?!?!」
音:がしっ
ラック 「アズマ!重いから離して!アズマまで落ちちゃうよ!」
アズマ 「そういうわけには…うわぁ!」
レイ 「ッ!!」
タクミ 「うわ、二人とも落ちたぞ、なんとかしろよ!」
カヲル 「ラックさんーーー!!行け、クロス!!」
ラック 「だから離してっていったのにーーー!」
アズマ 「すみません、あんなに重いとは思わなくてーーー!」
音:ドサッ
ラック 「あれ、痛くない。あ、アズマ!助かったよ!」
カヲル 「ラックさん、大丈夫ですか?!」
エマ 「お前の頭の中はラックだけか」
カヲル 「…アズマさんも」
ラック 「あ、ありがとう、クロス」
カヲル 『と、鳥に負けた!』
エマ 「馬鹿ですか。」
D 「ダメじゃないですか、カヲル君、鳥に負けちゃ。」
カヲル 「って何で僕の考えてること分かるんですか二人とも…」
アズマ 「ありがとうございます、カヲルさん、クロスさん」
ラック 「アズマ、遅いって」
レイ 「二人とも、大丈夫ですか。」
タクミ 「レイ更に遅い…」
????「何ですかーー!無視してますねーー!」
ラック 「…あれ、誰?」
タクミ 「あんた、誰だよー!」
コーディ「名前はコーディット、コーディって、呼んで下さい!よろしくです!
じゃなくて!降りて来て下さいーー!」
タクミ 「ああ言ってるけど…」
ラック 「オレたちにー、何か、用でもあるのーーー!?」
コーディ「ラックさんー、でしたっけ!?あなたのー、それ、頂きたいんですけどー!!!」
ラック 「なッ」
カヲル 「!」『あいつ…今、何て言ったんや…?ラックさんの心を頂くって言ったんか!?!?!?!』
ラック 「これはー、大事なものだからー、渡せないよー!!」
カヲル 『ほら、ラックさんいやがってるやん!ここは引け!』
コーディ「仕方ないですね…それなら、力尽くで、奪いますからー、覚悟してくださいぃー!!!」
カヲル 『力尽く!?』「ちょい待ちッ」
コーディ「なんですかぁ!?」
カヲル 「今から僕が降りる!ラックさんに手ぇ出すんは、僕を倒してからや!」
コーディ「あなたを倒したらいいんですね!?わかりましたぁ♪!!!」
カヲル 「皆さんはクロスに乗っていてください!行くぞ!」
コーディ「望むところです♪」
タクミ 「あーあ、始まっちゃったよ…」
ラック 「カヲル、なんかよく分からないこと言ってたね。」
エマ 「ほんとバカばっか…」
ラック 「エマ!バカってなんだよバカって!!」
エマ 「バカにバカと言って何が悪い」
アズマ 「や、やめてください二人とも…」
レイ 「あなた方に団結力というものはないんでしょうか…」
エマ 「ないな。」
ラック 「エマ!!!」
D 「カヲル君、がんばれー!」
音:キィン
コーディ「なかなかやりますね。。。でも、これならどうですかッ」
音:ガキィン
カヲル 「くっ」
コーディ「今ですッ」
音:ドコッ
カヲル 「つッ…」
コーディ「コレでとどめですぅ☆」
アズマ 「ああッカヲルさんが危ないッ」
ラック 「助けないとッ」
D 「だめです!これはカヲル君のプライドの戦いなんです!」
レイ 「プライド…?」
D 「ラックさん、カヲルさんを応援してあげてください。」
ラック 「え!?…いいけど。…カヲル、負けるなーーーー!」
カヲル 「え…」『もしかして、ラックさん…応援してくれてる!?』
ラック 「がんばれーーーー!」
カヲル 「は、はいっ頑張ります!!」
コーディ「な、立てるですか!?でも、コレで終わりですッ!」
カヲル 「やられるかぁぁ!」
音:ドカッ
コーディ「きゃ!……ッ痛いですぅ…仕方ないです、今日は引きますぅ…
でも、この次は必ず奪いますからね、覚悟していてくださいラックさん。」
カヲル 「なっ!!!!」
コーディ「じゃあ、お元気で♪」
音:たたたた
カヲル 「ちょっと待てぇ!やっぱお前には今すぐとどめを刺す!」
レイ 「もう行ってしまいましたよ。」
カヲル 「ちっ…」
アズマ 「カヲルさん、怪我したところ痛みますか?」
カヲル 「いや、大丈夫です。」
エマ 「それにしても、この前のバカ兄弟といい、ピンクといい、今回といい…ラック、お前は人気者だな…」
ラック 「そんな人気嬉しくない…」
タクミ 「それより、俺はもう眠い…次の町で早く寝たい。」
音:バサッ
カヲル 「!クロスが次の街を見つけたみたいです。」
タクミ 「え、マジ!?早く行こう!」
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